「パタ・パタ」などの代表曲を持つ南アフリカ出身のシンガー、ミリアム・マケバさんが亡くなった。マケバさんは、アフリカン・ポップのスターとして早くから世界的に認められ、同時に反
アパルトヘイト運動の旗手の一人として活躍した人物。
ナポリ郊外で開かれたチャリティ・コンサートで30分ほど歌ったあとで、倒れたという(2008年11月10日)。76歳だった。死因は現時点では明らかにされていない。
マケバさんは、ヨハネスブルクの黒人居住区の生まれ。1953年、マンハッタン・ブラザーズのメンバーとして初レコーディングを果たした。当時の南アは白人絶対優位の
アパルトヘイト政策の真っただ中にあり、彼女はこれに抗議する記録映画に出演したことがきっかけとなり市民権を剥奪され(1960年)、以後、丸30年の長きにわたって海外での生活を余儀なくされた。
60年代はハリー・べラフォンテと共に世界を巡演し、66年に一緒にグラミー賞を受賞。
87年、ポール・サイモンによる「グレイスランド・ツアー」(反
アパルトヘイトのフェスティバル)に参加し、新しい世代にも広く知られる存在となった。
90年、ネルソン・マンデラ(元南ア大統領)が釈放されたことをきっかけとして、30年ぶりに帰国が許可された(89年まで南アの政府系放送局では、彼女のレパートリーは放送禁止となっていた)。
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