往年のセッションマンが語る数々の逸話も面白く、彼ら(
ファンク・ブラザーズ)によるライブでは、チャカ・カーンやジェラルド・レバート、ミッシェル・ンデゲオチェロ、ベン・ハーパー、モンテル・ジョーダンらがかつての大ヒット曲を歌う。
反対にモータウンの主流をなす人々がまるで顔をみせないのは、このストーリーが、同社がいかに適切な労働条件を無視してセッションマンたちをこき使い、簡単にお払い箱にしてきたかが、描かれているからだ。
映画の中で最大の経緯が払われている故ジェイムズ・ジェマーソンの名前を知っている人は、かなりのソウル・ファンのはずだが、ジェイムズやベニーの在りし日の写真を、舞台に飾るシーンなど、なかなかに熱いものがある。
不思議なのは、ジェイムズのベースが、
ポール・マッカートニーと並び、エレキ・ベースの最大の革新者である、という言い方がこの映画ではなされなかったこと。監督(ポール・ジャストマン)も、熱くなり過ぎて、思わず言い忘れたのかも知れない。
*2004年5月1日から、渋谷シネ・アミューズにてロードショー