2002年8月28日と29日、錦糸町の駅前で恒例となった「
河内音頭大盆踊り大会」が開かれた。21年前に渋谷のライブ・ハウスで始まったこのイベントは、今や錦糸町の夏の風物詩として定着し、一日に万を越す観客(踊り子)が訪れる。
今年は、河洲光丸(かしま・みつまる)、日之出家小源丸(ひのでや・こげんまる)、三音家晴月(みつねや・せいげつ、写真)といったベテラン勢にまじって、まだ8歳という日之出家レナも櫓(やぐら)に上り、しっかりとした音頭で会場を沸かせた。
夕方の6時からはじまり4時間以上、合間をほとんど置かずに歌い継いで行くのが錦糸町
河内音頭の特徴である。そのテーマは「森の石松」「壷坂情話」など、浪曲とも関係の深いものが選ばれるのが普通だが、
河内音頭は仏を供養するためのダンス・ミュージックとしての側面もあって、会場は3種の踊りを楽しむ人たちと、じっくり物語を味わう人たちの2派に分かれて、大いにごった返した。
井筒家小石丸(いづつや・こいしまる)がフーテンの寅さんの格好でうたい東京のファンにサービスしたりと、総勢約20名の一行は、それぞれに工夫をこらし耳の肥えた「錦糸町の音頭ファン」を楽しませた。
来年は、念願となっていた、町内の路上に出て歌い踊る総流しも予定されている。