ボブ・ディランが37年ぶりにニューポート・フォーク・フェスティバルに出演した(2002年8月3日)。
ディランとこのフェスティバルとの関係は、ロック史上有名で、1965年7月に出演した時、彼はエレキ・ギターを持ちバックにポール・バターフィールド・ブルース・バンドを従えてステージに上がった。これに対し観客は、猛烈なブーイングで彼を批判し、そのためディランがフォークとの訣別を決めたというものだった。
当時のディランは生ギターを持ったフォークの新生として極めて高い評価を得ていたにもかかわらず、このフォークの祭典に観衆の期待を裏切って「エレキ」を持ち込んだため、物議をかもした。
彼はその直後、楽器うんぬんにこだわらない名作『追憶のハイウェイ61』を完成、時代が変わってゆくのだということを、その作品で証明した。
8月3日、会場となったFort Adams State Parkに姿を見せたディランは、アル・ゴア(前・米国大統領候補)が舞台袖で見つめる中、万来の拍手で観客に迎えられた。
チャーリー・セクストンら4人のバックマンを従えた演奏は、アコースティックとエレクトリック両方のセットをこなし、過去の事件を知っている人をホッとさせた。