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Decca D5557 |
ペギー・リーや、故ビリー・ホリデイ、故ルイ・アームストロングの遺産相続人たち、あわせて約300人がユニバーサル・ミュージック・グループに対して集団で起こしていた印税未払い訴訟が、2002年5月をめどに、同グループが総額475万ドルを支払うことで解決する方向に進んでいる。
1月14日、カリフォルニア州高等裁判所が解決案に署名し、これより裁判所が間に立って両者のヒアリング、最終調整が行なわれる。
ペギー・リーらは、1999年12月、同グループの傘下にあるデッカ・レコードが、各アーティストに対し虚偽の通達を行なったため、受け取るべき印税に達していないと訴えを起こしていた(当時は約100人の集団訴訟)。
原告側のリーダーであるリー(当年81歳)の場合は、彼女がデッカに在籍していた52年から56年の間に作られた作品群の印税が問題にされ、このようなシンガー、ミュージシャンによる集団訴訟はアメリカでも初めてのことであり、成り行きが注目されていた。
リーは、これに先立つ1991年、ディズニー映画『Lady and the Tramp』のために書いた曲の、ビデオで売り出された場合の使用許諾・印税支払いに関しても訴えを起こしている。この時、裁判所は、ビデオなどが登場する前の作品といえども、当人の許諾なしにリーの曲を再使用はできないとの画期的な判断を下し、彼女は230万ドルの賠償金を得ている。
写真は、ペギー・リーが問題にした作品の一つ『Songs from Walt Disney's Lady and the Tramp』(1955年)。