バイブ奏者として、バンド・リーダーとして長く活躍したライオネル・ハンプトンさんが、2002年8月31日にニューヨークの病院で亡くなった。彼の出生は明らかではないが、享年94歳と発表された。
ハンプトンさんは、1908年4月20日、ケンタッキー州ルイビルに生まれたとされている。ドラムを学んだのちに、トレイドマークとなるバイブラフォンを手にした。ジャズ界では珍しいこの楽器を手にしたのは、
ルイ・アームストロングとの共演時(1930年)、偶然にこれを見かけたからで、少しの練習ののち彼はアームストロングの「メモリーズ・オブ・ユー」に使ったという逸話が残っている。
その後、ベニー・グッドマンらとの共演ほか、初期リズム&ブルースの名作でもある「フライング・ハイ」(37年)などのヒットを飛ばし、すでに40年代には黒人エンターテイナーとして確固たる地位を築いていた人物だった。
晩年も、オーケストラを率いて、各地を勢力的に公演していたが、95年に発作を起こし、その後、体調が思わしくない状態が続いていた。