踊り、音楽、韻を踏んだセリフの三要素をブレンドした、沖縄独自の画期的な舞台芸能。別名、国劇。能などの本土芸能にも造詣の深かった奇才、玉城朝薫(たまぐすく・ちょうくん)が、沖縄の諸芸能や故事を大胆にアレンジし、1719年に初めて舞台にかけた。
王朝が完成させた総合演劇であるがゆえに、忠孝、儒教的なメッセージが濃厚。仇討ちものが、現存する60ほどの組踊の内、約40あるのも特色。代表的な演目には、朝薫の「組踊五番」(くみうどぅいぐばん)とよばれる五つの作品のほか、平敷屋朝敏(へしきや・ちょうびん)の「手水の縁(てみぢぬゐん)」、田里朝直(たさと ちょうちょく)の「萬歳敵討(まんざいてきうち)」、高宮城親雲上(たかなぁぐすく・ぺえちん)の「花売の縁」、久手堅親雲上(くでけん ぺえちん)の「大川敵討」などがある。国指定重要無形文化財。