中でも宮古島と石垣島の間に位置する多良間島は、古式をよく伝えています。研究者は明治20年代に伝わったものといいますが、那覇から海を隔てて遠くにあるため、一度習ったものがその後手を加えられずに今日に受け継がれているようです。
那覇では伝承者の少ない若衆踊を多数伝えていることや、宮廷時代に舞踊とセットになって演じられていた獅子舞や棒踊りを伝承していることなど、那覇の芸能が興行化・芸能化していく過程で失くしてきたものを現在に伝えています。年に一度の祭りのためにしか演じないことで、ディテールは風化しても、骨格はしっかりと伝えているように見うけられます。独特の伸び上がるようなステップに特徴のある
女踊りや、口説き歌によらない二才踊りなど、隔絶した島で一度は移入されたのち交流なく独自に伝承された芸能の数々は、かえって宮廷芸能の本質を伝えているようにも思われます。
6月9日(土)午後2時開演:総引「獅子舞」、若衆踊「かぎやで風節」、
女踊「金武節」ほかの舞踊(プログラムA)。
同日 午後6時開演:
組踊「忠臣仲宗根豊見親組(ちゅうしんなかそねとぅみうやぐみ)」、総引「棒踊」ほか。
6月10日(日)午後2時開演:総引「獅子舞」、若衆踊「辺野喜節」、
女踊「伊計離節節」、二才踊「根間の主」ほかの舞踊(プログラムB)。
一般3600円、学割2880円。電話予約:03-3230-3000