アルバム『グリッター』(2001年)の発売直後から噂されていた、マライアの契約解消がついに現実のものとなった。
2002年1月23日(英国時間)、ロンドン株式市場でEMIレコードが発表したのは、5枚のアルバムを作るという彼女との契約を同レコードが破棄し、解約金として1960万ポンド(約37億5000万円)をマライア側に支払うというものだった。
マライア・キャリーは2001年4月に、EMI/バージン・アメリカと約7000ポンド(約134億円)の契約をはたした。この金額は世界のレコード・ビジネスの歴史の中で最高のもの。
しかし、マライアの神経衰弱による入院騒ぎにはじまり、アルバム『グリッター』の不評、そして同名の彼女の初主演映画もさんざんの評価を受け、「アメリカ最高の人気女性シンガー」という看板は、新天地を求めた肝心の2001年後半に大きく揺らいだ。
アルバム『グリッター』(2001年9月発売)は、全世界でこれまで200万枚のセールスを上げているが、全盛期の93年に発売された『ミュージック・ボックス』の2000万枚と比べれば彼女の凋落ぶりは明白なものとなった。