組踊五番の一つ。能の「羽衣」との関連が指摘される演目だが、全体としては、沖縄にもある羽衣伝説を舞台化したもの。奥間大親と天女の間に産まれたのが14世紀の察度王(さっとおう)であるという伝説を元に、玉城朝薫(たまぐすく・ちょうくん)が涙の物語に仕上げた。物語は、天女の羽衣を隠した銘苅子が、強引に天女を妻にするところから始まる。天女は二人の子どもをもうけるが、月日を重ねたある時、子守り唄から羽衣のありかを知る。子は母(天女)を慕うが、母は天に帰らねばならない。ラストは、天女と別れ悲しみに暮れる銘苅子一家に王府からありがたい御奉公の報せが届く、という内容。