6月3日、改正
著作権法が衆議院を通過した。
音楽メディア関係者らの呼びかけによって、同法成立に反対するたくさんの声があがったが、実質的に国会にまでは届かなかった。
Beats21では、成立直前に送られてきた、反対を表明した有志からのメッセージをアップした。(写真は、音楽メディア関係者有志による記者会見・文部科学省で)
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著作権法改正について現状報告をさせていただきます。
皆様にもお知らせさせていただきましたが、5月24日(月)、音楽メディア関係者有志6名(大貫憲章、小野島大、北中正和、高橋健太郎、ピーター・バラカン、藤川毅)で、文部科学大臣・河村建夫様と、日本レコード協会会長・依田巽様あて、両者共通の意見書ならびに公開質問書を、提出しました。
http://copyrights.livedoor.biz/archives/691283.html
これに対する返答の期限は27日に設定しておりましたが、未だ返答はいただけておりません。
さて、さる4月21日に参議院を通過した議案は、先週5月28日衆議院の文部科学委員会入りしました。(案件):
著作権法改正法案(159国会閣91)
28日は、以下の6名が質問にたちました。正式な議事録はまだ公開されていませんが、
http://ucc.shacknet.nu/clr/cc/040528.html
などで書き起こしを見ることが出来ますし、
http://www.shugiintv.go.jp/top.cfm
ではビデオライブラリで動画も見ることが出来ます。
明日6月1日にも衆議院文部科学委員会にて午後1時から審議が行われ、そこには政府側の参考人として、レコード協会依田会長、そして民主党側の参考人として、高橋健太郎、ポール・デゼルスキー(HMVジャパン)が呼ばれ、発言します。
残念ながら法案をめぐる先行きは我々にとって非常に暗いものです。
衆議院では与党自民、公明を含め、今回の法案に「政府は、改正後の
著作権法第百十三条第五項施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、、同項の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」という、いわゆる見直しの付則をつけることで合意は出来つつあります。
その場合、一度は参議院を全会一致で通過した法案だけに、参議院にもどし、本会議で議決する必要があります。
本国会は年金問題で荒れており、与野党の国会対策委員長は対立しており、話が出来る状況ではないようです。
そういう状況で、参議院に修正案を戻すことは、参議院で議決できず、法案が廃案となる可能性もあり、それを避けたい与党側としては、修正に応じず、今週中にも原案通り可決という可能性が非常に高くなっております。
ただし、これまで
著作権法は全会一致が原則となっており、このような状態でも民主党が反対に回ることが出来れば、付則をつけられるという一縷の望みも残っています。
しかし、現状では原案通り可決の可能性が高く、法案成立後の音楽ファンの不満の矛先への危惧や、政府による法案運用への危惧があります。
我々メディア関係者としては、以前にもまして音楽ファンとのコミニュケーションを深め、失望した音楽ファンの音楽離れが起きないように務めるとともに、この法案の運用のされ方、欧米のレーベルの動向などにも目を光らせて、日本の豊かな音楽市場が守っていく役割を果たさなくてはならないかもしれません。
そういう意味では、我々音楽メディア関係者は、今後さらに、慎重かつ、粘り強い努力が必要となるかと思われます。皆様からもご意見がありましたら、ぜひ、お聞かせください。よろしくお願いします。
音楽メディア関係者有志6名(大貫憲章、小野島大、北中正和、高橋健太郎、ピーター・バラカン、藤川毅)
*この文書は、2004年5月31日、藤川毅氏からBeats21代表・藤田正宛てに送付されてきたものです。