八重山のソウル・バラード『新良幸人/月虹(GEKKOU)』完成
MYCD350
 石垣島出身のシンガー、新良幸人のソロ・アルバム『月虹(GEKKOU)』が完成した(写真)。
 パーシャクラブのリード・ボーカリストだけでなく、アコースティックなセットでも舞台に上る新良幸人だが、今回はごく限られたメンバーだけの静かでソウルフルな島唄集となっている。
 次世代の沖縄島唄は、彼のような存在によって受け継がれてゆくだけに、今回のアルバムは注目である(2003年11月19日発売)。
 収録されているのは「月ぬ美しゃ」「安里屋節」といった八重山の名曲だけではなく、「浜 千 鳥」という沖縄本島の歴史的名作もある。どれも非常にていねいなうたい方で、その姿勢からは歌それぞれのエッセンス、歴史性をすべて絞り出そうとしているかのような情熱が、ほの見えるようだ。
「たとえば、有名な宮良 長包さんの『安里屋ユンタ』の元にあるのが「安里屋節」ですけど、誤解を恐れずにいえば、ぼくはこの『安里屋ユンタ』にまとわりついている既成の評価とっいったものが嫌なんです。首里(琉球王朝)の圧制に歯向かったクヤマという女性が、八重山にいたんだ、ということが見えなくなっている。あえて言えばアンチ『安里屋ユンタ』が、ぼくの『安里屋節』です」
関連サイト:
M&I
「なぜなら『安里屋ユンタ』は、確かに名曲ですけど、かつて八重山の人たちが首里にどれだけ苦しめられたかが分からない歌になっている。違う、と思うんです。
 ええ、オレたちパーシャだけじゃないですか? 『首里城でイベントがあったって出ない』と明言しているのは。オレも首里城へは行ったことないしね。首里城は国の遺産ではあっても、『オキナワの遺産』じゃないから。
 もちろん今回のアルバムに政治を持ちこもうと思っているわけじゃないです。沖縄の美しい歌を、どれだけ美しいのか、じっくりとうたいたい。それも、録音もかなり考えたアルバムですから、三線の細かな響きも聴いてもらいたい。
 ぼくは八重山出身ですが「八重山の」という肩書きを背負わされるものイヤなんです。それは別の歌手がやればいい。
 ただね、じっくりと自分の好きな歌をうたっていくと、自然と、沖縄のね、八重山の、気持ちというものが、沸き上がってくる……そんなアルバムだと思います」
 
*ライブ「おきなわのうた vol.3」
 2004年1月16日(金)下北沢・北沢タウンホールで。午後6時半開演。
 4000円(全席指定)
 出演:新良幸人、よなは徹神谷千尋ほか
 問い合わせ:M&Iカンパニー(03-5453-8899)

( 2003/11/11 )

好評発売中! 『ブルースの百年』 by 藤田正&中村政利
2015年2月6日 発売! 「ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド」
ウィリー・ナガサキ CD『MIDNIGHT RUMBA』発売記念スペシャル・ライブ!
第4回「コザ・てるりん祭」の内容、決定!
スペシャル・ラテン・ナイト! ウィリー・ナガサキ&コンボ・インぺリアル
ウィリー・ナガサキ 5月の東京Live決定
ウィリー・ナガサキ「サンタナ・ナイト」in 博多
ウィリー・ナガサキ&コンボ・インペリアル:vol.4 は4月18日
第3回コザ・てるりん祭、4月4日に開催:
アルベルト城間と河村要助の世界:「”ラテン”で繋がるぼくらの友情」展
新良幸人
第4回「コザ・てるりん祭」を終えて 文・藤田正
4月16日 しょうちゃんの蛇に三線/藤田正
東京プレイベント「わったーしまは わったーがまもる」
10月12日 しょうちゃんの蛇に三線/藤田正
4月2日 しょうちゃんの蛇に三線/藤田正
4月1日 しょうちゃんの蛇に三線/藤田正
辺野古フェスのラインナップ決まる:「わったーしまは わったーがまもる」
琉球フェスティバル'07
第3回コザ・てるりん祭、4月4日に開催:
6月6日は、コザへ集結!:第1回 コザ・てるりん祭
表紙へ戻る