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テイチク TECD25482 |
日本の歌謡曲で活躍する二人の大物作曲家が盗作問題で争っている。
66年にCMソングとして発表された「どこまでも行こう」が、92年に発表された服部克久が作曲した「記念樹」とそっくりではないかとして、前者を作曲した小林亜星(およびその音楽出版社)が訴えていた裁判で、2002年9月6日、東京高裁は、服部克久側に非があるとして1審の判断を覆し、940万円の支払いを命じた。
「どこまでも行こう」は、ブリジストンのCMソングとして山崎唯によってうたわれ、当時はかなり有名になった歌だった。
一方の「記念樹」は、フジテレビの「あっぱれさんま先生」のエンディング・テーマに使われた歌である。
この裁判は2000年2月に東京地裁で小林側の訴えを棄却したが、東京高裁の篠原勝美裁判長は、旋律の相当部分は実質的に同一で、構成も酷似しており、『記念樹』は『どこまでも行こう』に依拠したとしか考えられず、編曲権を侵害しているとの判断をし、「著作権の侵害」があったと認めた。
このような楽曲の「盗作」をめぐって、類似性を裁判所が認めることは日本では非常に珍しい。
服部側は、これを不服として上告する予定。
写真は、奇しくも9月26日に『小林亜星CMソング・アンソロジー』。