浪曲の世界から歌謡曲の世界へ、独自の橋渡しをした昭和の人気シンガー、
三波春夫が、2001年4月14日、東京都内の病院で亡くなった。死因は前立腺ガン。77歳だった。
三波春夫は、1957年に浪曲師から歌謡界へ移り、同年「チャンチキおけさ」「船方さんよ」などを立て続けにヒットさせたことで知られる。
村田英雄らと共に、浪曲系の味わいを歌謡界へ持ち込み、独自の地位を築いた人物。
64年の東京オリンピックの時に「東京五輪音頭」を発表し180万枚を売り上げるという、当時としては驚異的なヒットを飛ばした。67年、万国博覧会のテーマ・ソング「世界の国からこんにちは」。また「お客さまは神様です」という名文句も流行語となり、長く彼のトレードマークとなった。
82年、芸術祭賞・大衆芸能部門優秀賞。86年、紫綬褒章。94年、勲四等旭日小綬章。
23年7月19日、新潟県三島郡生まれ。本名、北詰文司(きたづめ・ぶんじ)。39年、南条文若(なんじょう・ふみわか)の名で浪曲界にデビューした。