胴の部
 これも上品な味わいの、胴(ちーがー)の部。他の型よりも胴はいくぶん小さめ。
 棹が胴と結合する部分(表側)を「野坂(すんうり)」といい、南風原型では、するりとした美しい曲線を描くところに特色がある。林次郎の「手」はここでも冴えている。
 また、「野坂」の裏を、「鳩胸(うとぅちから)」と呼ぶけれども、「野丸(てぃーあたい)」、すなわち、棹のてのひらがあたる部分から、下がって「鳩胸」にかけての流れるようなラインにしても、林次郎は、みずみずしい乙女の姿かたちをその丸みに表わしているかのようだ。
 使用している皮はタイ原産のにしきへび。三線用の蛇皮は、一般に首から尾にかけて使われるが、本作品は良質な尾に近い部分を張り込んでいる。
(解説・藤田正)
 
 
 
 

( 2006/12/01 )

照屋林次郎 作「南風原型三線」
天(ちら)の部・正面
天(ちら)の部・横
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