Beats21の特別販売:名工・照屋林次郎による三線の逸品
林次郎(左)と、
林次郎三線「りん-rin-」を手にする
若き名手「よなは徹」さん
 沖縄はコザ(沖縄市)に工房をかまえる照屋林次郎。三線製作者として、いよいよ注目を集める存在となってきた。
 2007年6月に行なった、東京から沖縄の離島に至るまでを巡る三線展でその技量の確かさに触れた方も多いはずだ。
 今回は(注文を受けてもなかなか作らない!)林次郎の力作を特別販売するその第2弾。前回は「南風原型」、今回は一般に「ゆなー」と呼ばれる「与那型(与那城型)」。「真壁(まかび)型」と共に現在の主流となっているスタイルでもある。
 照屋林次郎作による「与那型」…三線にとって最も重要な棹(そー)はもちろんのこと、材質は貴重なものばかり。その素晴らしい音色は後世にも伝えるべき輝きと味わいをたたえている。                             
 林次郎の三線ブランド「りん -rin-」。その特色の一つは、基本的に最初から漆塗りをしないこと。材質と仕上げのよさがはっきりとわかり、棹(フレット)と左手のなじみも抜群だから演奏するにも最適なのだ。
 また、この三線を使い込んだのちに塗りをほどこせば、鳩胸(うとぅちから/棹が胴に結合する鳩の胸ような部分)などにある黒檀の白い部分がほっこりと「赤み」を帯びて浮き上がる(すんちーぬい=透明塗り)……こんな楽しみも待っている。
与那型(与那城型)とは:
「真壁(まかび)型」を作ったといわれる真壁里之子と同じ時代の名工、与那城の名前にちなんで付けられた三線の型。
 棹は太め、弦を巻く糸蔵(ちるだまい)は細長いデザイン。
 フレット(野面)から糸蔵まですらりとした直線で仕上げているのも特色。
 現在の主流となっている型の一つ。
 小与那城型、江戸与那型、作川の与那型、鴨口与那型といくつかのバージョンにわかれているが、照屋林次郎作「りん -rin-/与那型(与那城型) 」 はベーシック・スタイルである。
 
 
照屋林次郎 作「りん -rin-/与那型(与那城型)」(1点)
付属品:ハードケース、バチ、ウマ=駒、弦(3本)、ムディ=糸巻き、調子笛、当店オリジナルピック、照屋林助著『地謡全集』、CD『照屋林賢のだれでも弾ける 簡単 沖縄三線入門』(by 照屋林賢/りんけんバンド/ティンクティンク)
 
販売価格: 525,000円(税込)
(送料は照屋林助三線店が負担)

本商品は、完売しました。
ありがとうございました。

( 2007/11/18 )

天から棹の部分。抜群のフォルムだ
 
天(ヘッド)の部分。
漆塗りをしない林次郎三線ならではのプロ仕様
 
天(ヘッド)の部分。
 
胴の部分。最高級のニシキヘビの皮を使用
 
胴を真横から。
鳩胸(うとぅちから)に白い部分が見え、
使いこんだあと、
透明塗り(すんちーぬい)をほどこすと、
麗しい色味と変る
 
照屋林次郎の略歴
 1953(昭和28)年2月9日生。三線作りは16歳の時から始めた。
 祖父の林山(りんざん)は琉球古典音楽の最大流派、野村流の幹部。戦後の荒廃した沖縄を歌と三線で勇気づけた功労者の一人であり、三線作りの名人としても知られた。林次郎はこの林山に三線作りのすべてを教わった。
 父である林助は、歌とお笑いのレビュー「ワタブーショウ」で戦後沖縄で一番のスターとなった異能の人。歌手、作曲家、作家など八面六臂の活躍で本土でもたくさんの信奉者を持つ。林助も生前、三線、改造ギター&三線などで優れた才能を発揮した。
 照屋家は親戚も含めて、芸能の町コザ(現・沖縄市)で筆頭の音楽的素養豊かな家系であったが、その素養を存分に受け継いだのが、兄である照屋林賢(りんけんバンド)と弟の林次郎だった。
 兄の林賢はバンド・リーダー/名三線プレイヤーの道へ進み、林次郎は三線製作者としての修練に励んだ。祖父亡きあとは、その正統的後継者として現在に至っているが、その実力は沖縄タイムスの現代の名工シリーズでも高く評価され(2005年)、さらにザ・カード誌の沖縄大特集号では(2001年)、林次郎の紹介だけで5ページが費やされている。
 仕事の中心は何といっても伝統的な三線の製作だが、各方面からその才能を見込まれて、ギターの特別製作ほか舞台美術、オブジェの依頼にも応じている。
 沖縄市在住。母が切り盛りする照屋林助三線店の隣りが、彼の工房だ。
 2007年6月、東京、岐阜、沖縄本島、石垣島、竹富島の4箇所で初めての三線展覧会を敢行し話題となった。
(文・藤田正)
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